「WOOMAN "A NAME" CHRONICLE -PART TWO-」



WOOMAN ニューアルバム「A NAME」発売を記念して「WOOMAN "A NAME" CHRONICLE 」と題しメンバーによる全曲解説インタビューを公開!後半です。後半は"SIX DAYS"以降の4曲に加えアルバムタイトルの由来からアートワークに至るまで、楽曲以外にも色々と深く掘り下げて聞いています。結成秘話やこれまでほとんど語られる事の無かったメンバーのバンドに対する姿勢なども今回一気に話してもらいました。それでは後半いってみましょう!どうぞ! (前半はこちら)

聞き手 : Naoki Takano



「SIX DAYS」

ーー次、”SIX DAYS”。今回のアルバムで僕の一番好きな曲です。

YYOKKE(Vocal&Guitar) : SIX DAYS”は元々1年くらい前に別バージョンをYOUTUBESOUND CLOUDで公開した曲ですね。当時 ”SIX DAYS” と ”LONG STANDING” 以外のアルバム収録曲はすでにライブでやっていて、一つ王道な曲をやりたいと思って作った曲です。サビも何もないんだけど、ギターが炸裂するみたいな。

ODA(Guitar) : サビまで暗いし、ライブ中も手元見えづらい(笑)。サビに一気に爆発する曲。

ーー自分たちにとっての王道って、実は一番難しかったりするのではないですか?

YYOKKE : いや、この曲も悩まずにスッとできたね。すぐにスタジオで合わせてレギュラー入りって感じで。他の曲のように何かゴールを作って挑戦するようなのではなくて、すでに自分たちにあるもので作った感じ。一番みんなのルーツに直結してるかもしれない。

YUUKI(Bass) : Aメロ?のYYOKKEのアーアアアーのとこのメロが良いよね~。なんて言ってるの?アレ(笑)。もうあそこだけで良い曲だなって思った。

YYOKKE : そこはアルバムも出来たのでこの機会にブックレットの歌詞見てください(笑)。

ーー先行して昨年1月にYOUTUBESOUND CLOUDでアップされたverは随分違いがありますよね?

YYOKKE : そうそう。この曲はもう1バージョンあって、CVN(NOBUYUKI SAKUMA, ex-JESSE RUINS)の運営するMIXシリーズGREY MATTER ACHIVESWOOMANでやらないかって誘ってもらって、その中にWOOMANの新曲を入れたいと思って。それもあって作ったというのもあります。



ーーこのMIXには色んなバンド、アーティストの曲が入ってますけど全体のトーンに“SIX DAYS”はちゃんと馴染んでいる印象でした。

YYOKKE : MIXはその当時インスパイアされた曲で構成されていて、ロシアのЛето В ГородеとかHoly MotorsProtomartyrTotal Controlとか入れてますね。いつも聴いているバンドや好きなバンドでその当時カッコ良いと思ったものを選曲しました。ここに入っている“SIX DAYS”の質感はそれらの曲に近い形で完全宅録で作りましたね。このバージョンはこれはこれで好きなんだけど、もうLo-FIはずっと散々やってきたので(笑)アルバムバージョンは割とクリーンに録りました。

ーーかなりストレートな展開、リズムはポストパンク感ありますね。

YYOKKE : 流れ的に ”STILL INSIDE” の次に発表するのが”SIX DAYS”だったので、”STILL INSIDE” がタムで終始進む感じに対しストレートな感じで作ってみたんですよ。

ーーフックがあるようでないような、でも全体的に高揚感がありますね。

KOUTA(Drums) : サビの唄うギターが最高。"EVEN A BIRD" からの流れもいい。

YYOKKE : 歌のサビがしっかりあるというかは、Captured TracksDIIVがやってるような事をやりたかったのかも。良いところを敢えて歌わないDIIV節にインスパイアされたのかもしれへん(笑)。

ーー 冒頭からのドラムが印象的なんですが、レコーディングで何か意識した事はあります?

KOUTA : ニューウェーブ感が必然的に程よいバランスで出ていたので、敢えてテンポの速いNEU!みたいなハンマービードでベースに寄り添う事にしようか迷いましたが、程よい距離感とグルーヴを意識して叩きました。

ーー中盤のギターソロ、サイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」のようなフレーズがありますが。

YYOKKE : そう(笑)。作っている時に弾きながらそれっぽいなと思ったんですけど、キーも違うしそのままにしました(笑)。よく聴いたら全然違うけどね。そういえば、この間ライブに遊びに来てくれていたチャーベさん(LEARNERS/CUBISMO GRAFICO FIVE)が「あの曲はあれだよね、冬の散歩道だよね」「ああいうのしれっとやるの好きやわ~」と仰ってました(笑)。

ーー分かる人には分かっちゃう。その辺りも王道ですね(笑)。

YYOKKE : 例えばMichael Jackson Black Or White” のフレーズが小沢健二の ”さよならなんて云えないよ” で引用されているような感じで、渋谷系の時代に引用して昇華する文化ありましたよね。それっぽい事ではあります。決して ”SIX DAYS” はお洒落な曲ではないけど(笑)。チャーベさんがそういう話をしてくれたのは面白かったですね。

ーーこれずっと気になっていたんですけど、歌詞はどういう内容なんですか?

YYOKKE : この曲はファンタジー系ですね。Netflixがオリジナルで製作してそうな、ある男女が焦燥感と期待を帯びながら何かから逃げようとしている6日間の話です(笑)。メロディを作りながら「SIX DAYS FOR LIES」という言葉が思いついて、響きも良いし映画のタイトルっぽくていいなと。なのでそこから膨らませて全体的に割と響きで作った感じです。格好良い言葉とか。韻を踏むのも意識して。


「LONG STANDING」

ーー続いて、先行7インチB面にも収録された ”LONG STANDING”。

YYOKKE : これはアルバムの構成もやや輪郭が見えてきた頃に1曲グッとテンポが遅い曲を入れたいなと思って取りかかった曲ですね。中学生が初めて洋楽を聴いて「この曲いいなぁ」と思えるような、もう一回聴きたい!みたいな曲を作りたいなと。

ーーアルバム中でもかなりキャッチーな曲ですね。どのように生まれたんでしょう?

YYOKKE : 家で弾き語りでiPhoneのボイスメモで録ったものをみんなに送って、すぐスタジオでやったらこれもまた即レギュラー入りした。大袈裟にやらない大袈裟なロックを目指したんだよね、ニュアンスが難しいですけど。

ーーなるほど。アレンジはどんな感じで落ち着いたんですか?

YYOKKE : アルバムの中でもわかりやすい曲にしたくて、アレンジも敢えてベタにしています。ベタをガッチリやってみたい、ダサいのがかっこいいみたいな(笑)。録音する前にドラムのKOUTA君とも割とベタにやろうって話をしましたね。

KOUTA : 普遍的な曲でも感情も個性も自然と入れられたのが良かったね。これからライブでも少しずつ変わっていきそうな曲です。

YYOKKE : とにかくこの曲は歌が中心にあれば良いのかなって。過去最高に捻りがない、でも直線的で伝わりやすいというポジション。

ODA : こういう雰囲気の曲をバンドでやる日が来るとは思わなかったね。バンドで最初に行き着く先っぽい気がするけど、WOOMANは随分遠回りした感覚です。

YUUKI : レコーディングの時に急遽入れた1:16のとこのちょっとしたギターリフがたまらないんだよねー。ライブ中に小田さんくるよくるよーっ!って思っちゃう(笑)。その後の間奏のところがオレは1番好きで。ライブではそこで感情昂りすぎて、感情が先に行きすぎて、よく演奏ミスる(笑)。

ーーライブでの注目すべきポイントですね(笑)。7インチに収録されていますが、なぜこの曲を選んだのでしょうか?

YYOKKE : アルバム先行の7インチシングルなので、名刺替わりに初めて聴いてスッと入ってくるんではないかナンバーワンという事で選ばれました。7インチで45回転で収まるってのもあります。すぐ終わる曲が好きなんです。もっと展開させても良かったけどサラッと終わった方が余韻が残る場合もある。シンプルなんだけど良いみたいにしたかったんだよね。

ーー最後サビ終わりに”アァ”みたいなの入ってますが、それも良かったです。YYOKKE語録で言う所の"ヒューマン味"、人間味があって(笑)。

YYOKKE : ヒューマン味ありますね(笑)。

KOUTA : レコーディングでたまたま入っていた声を消さずに残したのも良い味になってるよね。

YYOKKE : 最初ノイズっぽいから消そうと思ってたらミックスを担当してくれたヤック(HARVARD)が生っぽくて雰囲気あるから残そうって提案してくれて残したんだよね。あと、今回アルバム全体的に気づかないであろうレベルで薄らシンセ入ってるんですね。ヤックには今回シンセを弾いてもらった曲もあるんですよ。僕が弾いたものをヤックに投げて整えてもらったんです。それも彼からの提案だったので、ヤックがいなかったら全然違うものになっていたかもしれないですね。

ODA : ヤック君はリスナーとしての感性でやってくれるので、自分たちでは気付き難いところもフォローしてくれたりして。

ーーヤックさんには A NAME 制作にあたり、かなり貢献いただいたわけですね。

YYOKKE : そう。色々無理言いました(泣)。ヤックにはいつかゲストプレイヤーとして参加してもらってライブやりたいですね。

YUUKI : 更にまだ無理を言ってるという(笑)。

ーーでは、歌っている内容について聞きたいのですが。

YYOKKE : LONG STANDING” には「以前から」とか「ずっと昔から」っていう意味があって。珍しくタイトルが歌詞に出てこない曲ですね。曲調的にラブソングっぽく聞こえるかもだけど、友情だったり近しい人へ向けての歌でもあります。例えば、友達、彼氏、彼女や家族に対して気の持ち方次第でいつもスタート地点だし、始まりの日なんだよっていう意味も込めて。そういう声をかけたい周りにいる人たちはずっと昔からいる人たちだなって。メンバーもそう。そういう人たちがいるから今があって、また進んで行けるっていう歌です。

ーー結構直球な内容を歌っているんですね。ちょっと照れるくらいのフレーズがいっぱい入っています。

YYOKKE : メンバーに面と向かって言うのは恥ずかしいですけど、歌でなら言えるんですね。ライブでやる時はこれを歌うとこっそり自分でグッと来ます(照)。ライブで繰り返し歌うものなので、感情的になれる内容にしたいなっていうのもあって。

ーー長く続けている事だったり、関係性だったり、日々過ごしている中で今日からスタートってなかなか思えないものです。

YYOKKE : 何かを続けていると歴史が積み上がってきて、やっぱり人間良い時も悪い時もあって、どうしたって”あの頃は良かった”とか言っちゃうじゃないですか。でも昔の事を考えてても今が変わる事はないので。昔の事を考えて動けないよりも、今どうするか考えてたいですよね。

ーーキャリアは時に邪魔になるというか、良くも悪くもついてきますもんね。

YYOKKE : Cuz Me Painの頃が今より良かったとは思わないし、FARON SQUARETHE BEAUTYJESSE RUINSでの活動は素晴らしい時間を与えてもらえたので今も忘れないですけど、その頃が音楽人生で最高だったとは思わない。それがあるからこそこれからも上がっていかないといけないんじゃないの?過去に縛られないぞ俺たちは!って言う曲。

ーー決意の曲でもあると。

YYOKKE : WOOMANの人達は皆んな”あの時良かった”とは言わないですね。次もやるつもりです。こういう曲作ったらもうやるしかないです。そんな自分達を追い込むソングです(笑)。



「SUN」

ーー次は"SUN"。この曲はどういうところから作り始めたのですか?

YYOKKE : 4つ打ちなんだけどいわゆるダンス、ディスコをやりたくないって思って書いた曲だね。

YUUKI : リピート感、リズムでグイグイ上がっていく、組曲的な三部構成でできてる曲。

YYOKKE : これは珍しいタイプで、歌詞を先に作ったんですよ。太陽の歌を作りたいってのが昔からあって、普段気にしていないけどいつもそこにある太陽の持つ圧倒的な存在、エネルギーにフォーカスしたものを作りたかったんです。

ODA : 友達がライブ終わって泣いてた。"SUN" 聴いたら込み上げてきたって。。そういう曲。

ーー”太陽の持つ圧倒的な存在”を具体的にどう落とし込んだんですか?

YYOKKE : 小さい頃に自分の名前ってなんなんだろう?って思った事があって、親に聞いたんですよ。由来を。そしたら太陽のように明るく育って欲しいから”陽介”としたと言われて、それまでは物静かな、おとなしい子だったんだけどそれを聞いてから太陽のように明るくならないといかんのかなと思って、自分でも分かるくらい変わったんですね。世の中と向かい合う感覚が全然変わった。それ次第では今こうなっていなかったかもって思って。名前がもたらす力をそのエピソードから感じていて、いつか使いたいネタだったんです。太陽を親とか自分にとっての絶対的な存在の象徴として捉えて。親だったり先輩、つまり先人。いつもそこにある自分の導いてくれる存在。改めてその存在を認識して自分がまた誰かにとってそういう存在になれたら良いなと。

ーー名前は生まれてー生付き合っていくものですもんね。

YYOKKE : 名前をつけるって何かが始まる瞬間だったりすると思うんですよ。人間が最初に与えられるものは名前でもあるので。”SUN が出来た後にアルバムタイトルを探していて、”SUN” の歌詞に出てくる A NAME がいいなとなって。一つの名前。Aは一番っていう意味もあるので、WOOMANにとって実質ファーストアルバムみたいな事もあるのでしっくり来るなと思い名付けました。

ーーそこでアルバムタイトルに繋がるんですね。

YYOKKE : うん。なので気持ちとしてはこのアルバムのリードシングルくらいの感じですね。”A NAME” って曲名でも良かったくらい。歌詞の内容と展開、バンドのアレンジがマッチして全体が構成されているという意味でうまくいったと思っています。

KOUTA : どのパートも添えるようなフレーズを沢山散りばめてて、それが不思議と一つのまとまりになって良いグルーヴになってる。

ODA : 最後の大サビはプロトタイプで3パターンあって、結構ライブでやりながら構成を変えた曲ですね。

YUUKI : 前の構成はもう覚えてないけど、変えた時はどっちが良いのか結構迷ったよね。結果良かった。泣いてくれる人がいるくらいだし。

YYOKKE : アルバム中でも一番わかりにくい曲だと思うんですけど、一曲で人間の感情の振れ幅を表現しようと思うとこういう流れになるというか。平穏な時もあれば荒ぶる時もある。人間臭い部分を書きたかったんです。その辺りが泣きにも繋がるんかな。

ーーレコーディングはどんな感じでした?

KOUTA : レコーディングは一番大変だったけど、とても気に入ってます。ライブでのアレンジは敢えて決めていなくて、その日の気分を意識的に反映するようにしてます。

ODA  : 録音前に最後の構成変えて吉と出たのが良かったよね。

YUUKI : レコーディング直前で構成変えたねー。それまで構成とか途中で変えると大体難航してたけど、これはなんかみんなすぐ対応してて、あっさり完成した記憶があるなぁ。バンドの成長を感じた記憶がある。


「FUTURE」

ーーアルバムの最後を飾るのが一際ポジティブに響く"FUTURE"です。

ODA : 随分前からあった、日の目を浴びなかったのが "FUTURE"

YYOKKE : この曲はWOOMAN結成のエピソードが着想点になっています。そもそもODAのソロユニットTHE BEAUTYのライブをサポートするメンバーとして集まったのが今の僕とYUUKIKOUTAなんですけど、THE BEAUTYがライブを休止して、残りのメンバーが暇になっちゃったんですよ。で、その頃僕がソロ名義でやってたWHITE WEARをその3人でやろうって事になって。でもなかなか上手くいかなかったんですね。WHITE WEARの始まりが僕のソロだったのもあり、僕個人としてフレキシブルに色々やりたかったので、バンドとしてはやりたい事が定まってなくて中々上手くいかなかったんです。

ーーそんな時期もあったんですね。そこからどうやってまたODAさんが合流したんですか?

YYOKKE : ある日THE BEAUTYのライブ活動を休止していたODAを誘って久しぶりに集まって武蔵小山で昼間から深夜2時、3時まで12時間以上飲んだんですね(笑)。最後の方はもうみんなべロベロで、もはやみんな何言ってるかわからないくらい飲んでて(笑)。でもなんだかんだ音楽の話をするので、もうこんなに飲めるんだったらもう一度バンドやろうぜ!ってなったんです(笑)。そこからスタジオに入りだした頃にSolitude Solutionsナオヒロさんに誘ってもらったのが後押しになって、またゼロから始めるかって思ってしっかりバンドをやり始めたのが2015年の春とかかな。

ーー酒がみんなをまた呼び戻した。メンバー全員お酒が強い、WOOMANらしいエピソードですね(笑)。このエピソードから”FUTURE”にどう繋がっていくんですか?

YYOKKE : この曲はフックの部分で”あなたが必要なんだ"と歌ってるんですけど、とにかく今必要な人は誰しも必ずいるわけで、必要な人にあなたが必要だって言えるのは素敵な事だなって。そういう人がいるってのは幸せな事で、言葉で伝えていく事は重要ですよね。それが結果未来に繋がっていくんじゃないかと言う事で "FUTURE" なんですよ。

ーーまたもヒューマン味溢れる内容ですね。

YYOKKE : まだまだやれるのにやらないのはおかしくない?って言う意味で、最後に物語を終わらせるのは早くない?って問うて終わるんです。そこで終わりでいいの?って。ODAをもう一度誘った時の話そのままですね(笑)。

ーー未来を作るのは今だから今あなたが必要だと。

YYOKKE : それはポジディヴな事やんね。

ーーそう繋がるのかー。その話を知って聴くとまた違ってくる気がしますね。楽曲としてはアップテンポな、割とストレートなインディロックといったサウンドですが。

YYOKKE : この曲は2006年あたりのUKインディブームの頃によく聴いていたものがベースになっていて、最後唯一ダンスっぽい4つ打ちになっています。アルバム全体として暗めな曲が多い印象なので一曲明るいのがあってもいいかなと。最後の曲が ”FUTURE” というのも良いかなって。

YUUKI : FUTURE” と ”STILL INSIDE” ってどっちが先に出来た曲だっけ?なんか ”FUTURE” の方が先のような気がする。1stアルバムに入れようとしてたような気がするし。曲の雰囲気がこれだけ違うからやめとこうみたいな。違ったっけ?

ODA : いや、意外と FUTURE” の方が後だったかと。最後に明るい曲で終わろうって話になって結局収録する事にした気がする。

ーーそうなんですね。”FUTURE”が最後にある事でちゃんと締まっている気がします。

KOUTA : ストーリー性の強いアルバムではないので、結果として最後に相応しい曲になったと思います。ユーモアも入れながら自然とポップになりすぎてなかったのが良いね。

YYOKKE : FUTURE” でWOOMANのセカンドアルバムを終わらせるというのは良いかなって。この曲を一曲目に持って来ても良かったんだけど、最後にメジャーコードで終わるっていうのが、また頭の ”STILL INSIDE” に繋がっていく感じで繰り返し聴けるかなと。

ーー最初と後半がポジティブなアルバムという印象ですね。

YYOKKE : 全体を通してメジャーがあるからマイナーが活きる、影があるから光があるみたいな。キャッチーな事だけを出来ない連中がやってるバンドなので、こうなるんだよね。悲しいもあるから楽しい事もある、そういう事を日々感じて生きているんですよ。


TALK ABOUT 「A NAME」

ーー感情がキーワードになっている部分ありますね、”A NAME”は。

YYOKKE : WOOMANは毎日楽しい事ばかりでは”楽しい”も楽しくないから、暗い部分があるからこそ人生は輝くわけで、っていう事をやりたいのかも。

ーー”未来”と言う言葉が最後の曲っていうのも良いですね。

YYOKKE : SUN” で終わらせる事もできたんだけど、“FUTURE” で終わらせるのが良いかなと。それって粋だなって。やっぱ未来だよって言い切ってる。でも死についても同じくらい考える。WOOMANは色々と良い思いもそうでない事も経験した人たちが集まってやってるので、どうしても光と影の部分が滲み出ちゃう(笑)。でもそれは嘘をつかずにやっているっていう裏返しなんよね。

YUUKI : "FUTURE" はオレの中で最後の曲のイメージだからアルバムの最後曲に持ってこれてしっくりきてる。

ODA : ライブでもあまりやっていないので、久しぶりにやりたいですね。

ーーこの曲は10代の頃の様なピュアさを感じるし、ポジティヴ・マインド全開で清々しさすらあります(笑)。

YYOKKE : ポジティヴ・マインドね(笑)。でも、一見上手くいってない事も全体から俯瞰してみると上手くいってるのかもしれない。THE BEAUTYがライブを休止していなかったらWOOMANも無かったかもしれない、みたいに。一部分だけを捉えてその先を諦めるのではなくてこの先から変えてやろうって思ったほうが人生気が楽なんじゃないかなって。悲しい気持ちや悔しい気持ちを知っていないと楽しさや喜びも分かんないと思うので、そんな事を全体的に言いたいのかなって今日話していて思いました。

ーーそれは納得できる話ですね。体現していますもんね。

YYOKKE : 人は遅かれ早かれいつか老いていくし死んでいくし、でもその中でも考え方によっては世の中には楽しい人生を創造するヒントがあると思うから。僕らははそういう気持ちでバンドをやってるし。

ーーでも多くの場合バンドを続けるって大変だと思うんですよ。WOOMANはメンバーも仲が良いし楽しんで活動しているのが見えるので、そこもすごくこのバンドの持つ個性だと思うんですが。

YYOKKE : バンドをやって絶対的なヒーローになりたいと思ってやってるワケではなく、4人で音楽やってて楽しいからやってるので。”楽しい”って部分を伝えないとバンドって面白くないじゃない。でもうちらは楽しいだけじゃなくて、楽しいを”楽しい”と感じるために悲しいも必要だからこういう音になっているって事なんです。

ーー今回話を聞いて思ったのですが”楽しさ”と”悲しみ”、”生”と”死”、そんな表裏を表した言葉が多々浮かび上がりますね。

YYOKKE : そういう表層的には見えないキーワードを散りばめていて ”A NAME” というアルバムタイトルやアートワーク含めて良きところでまとめられたかなって思います。

ーーアートワークは今回もYYOKKEさんによるものですが、どういったイメージで決まったんですか?コラージュは僕もちょっとお手伝いさせてもらったので出来上がりは感動しました。

YYOKKE : 中ページのコラージュ一緒に作ったね。良い思い出(笑)。アートワークの表1はこのアルバムに収録された曲の断片を視覚化したものたちが集まって、1つの絵になってるっていうイメージで、そういう意味で ”STILL INSIDE” のジャケの写真もここに入れてるんです。”LOST LOVE” 以降の出来事や景色や色んなものが重なってここに完成したっていう部分とヴィジュアルをリンクさせています。

ーーWOOMANはガイコツモチーフが多く使われてる気がしますけど、これは何か深いわけでも?

YYOKKE : 多くの場合ガイコツって死のイメージとして捉えられるけど、自分達の最後の姿なので見て見ぬ振りは出来ないかなっていう。死ぬ事を毎日恐れて生きるのは辛いけど、死を受け入れた瞬間に人間って強くなる気がするので。

ーーネガも考え方でポジになるという。

YYOKKE : ひとつ何か困難が自分に降りかかったとして、別の角度から見るって事が大切だと思っていて。

ーー角度を変えれば違う意味になってくると。

YYOKKE : そう。ガイコツのイメージも角度を変えれば生きる希望になるかもしれない。そういう事をやりたいんだよね。失敗が失敗ではない、成功が成功ではないって、思って生きてみてもいいんじゃないって。僕らはそういう気持ちでやってるんですよね。そういう意味では前作からのネクストステップは踏めたかなと。また次に何を作れるかっていうのを楽しみにやっていこうかなと思っています。

ーーしかし前作 ”LOST LOVE” からの変化が本当にすごいです。

YYOKKE : それこそ角度を変えて作ってみたっていう事ですよね。

ーー次のアルバムに期待という事で。

YYOKKE : 次はまた違う角度でやるんだろうね(笑)。



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EVENT INFORMATION

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WOOMAN “A NAME” Release Party -OSAKA-

大阪Club STOMP  http://club-stomp.com


2月16日 (土) 23:00 open
Door 2,500yen (Incl. 1 Drink) / Student 1,000yen (Incl. 1 Drink)

Live : WOOMAN、DUPPSY、Teen Runnings (Karaoke Set)、NTsKi
DJs : zico、
BABY、degg、shota_yam、kaya

Info : popowpowpow.tumblr.com




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